3日目(2000年11月20日)

3日目は両親と一緒にサイパン観光です。午前中は「ジャングルツアー」に参加しました。これは普通の観光ツアーでは行けないような山や洞窟、プライベートビーチなどを巡るツアーです。朝8時45分にホテルに迎えに着てくれたバンに乗ってツアーの主役である4WDが待つ場所まで行きました。その時の迎えのバンを運転をしてくれたJoeさんは、片言の日本語しか話すことができなく、いろんな連絡事項があるのに意思の疎通ができない始末。しょうがないので通訳をするはめに。いったい今までどうやってツアーをやってきたのかちょっと不思議。でもまぁすごく陽気でいい人だったので、そのキャラクターでなんとかやってきたのでしょう(笑)

とりあえず4WDの待つ場所に到着した一行は、6人づつに分かれて4WDに乗りました。僕たち一家が乗った4WDにはEricさんというガイドがつきました。彼はそこそこ日本語が堪能だったのでちょっと安心。こちらもとっても陽気で親切で紳士な方でした。Ericさんとはツアー中とっても仲がよくなって、車の中ではずっとお話してました。僕たちが結婚式でサイパンに来たということを言ったらお祝いだといってお気に入りの曲が入ったテープを車の中で再生してくれたのだ。とってもいい思い出になりました。

まず4WDで向かったのがサイパン島最高峰のタポチョ山頂。最高峰といっても500mにも満たない山です。でも他に大きな山がないので頂上からの景色はすばらしかった。途中山頂に向かう道路はすごい悪路でした。しかもEricの運転の荒いこと荒いこと.....(笑)まるでラリーカーに乗っているかのような運転でした。そんな運転が大好きな僕はとても楽しかったのですが、そういう運転が嫌いな人にとってはおそらく最悪だったことでしょう(笑)

次に向かったのはサイパン島西側の地元の人しか知らないプライベートビーチ。ここには観光客がだれもいなくてとってもいい景色でした。この海岸には太平洋戦争時の日本軍が作ったトーチカが残っています。海岸の地形をうまく使ってトーチカを作っているのですが、中には日本語で兵士の手書きで名前が彫ってあってかなり複雑な気分。まだ海岸には機関銃の弾丸が残っていたりします。こんなところで戦った日本軍兵士の気持ちを考えるととても複雑です。僕とそんなに歳も違わない日本人が50年以上前に見知らぬ南の島に来て、アメリカ軍と勝ち目のない戦闘をしたのかと思うと心が苦しくなりました。そんな不幸な歴史とあまりにもきれいな景色とのギャップが大きくてなんだか悲しくなってしまったのだ。

次の目的地に向かう前に、地元のお店で一休み。このお店にはサイパンのローカルなお菓子がいっぱい売ってました。僕は「アピギギ」というお菓子を購入。これはココナツの実をバナナの葉っぱでくるんで焼き上げたお餅のようなお菓子です。ココナツの風味とバナナの風味が程良く混ざり合って、しかもいい感じで焼き上げているので香ばしくてとってもおいしい(^^)1本65セントというとっても安くて珍しくておいしいお菓子でした。ちなみにアピギギを町中のコンビニで買うとなんと1本3ドルもします。こういうローカルフードを買うならやはり地元のお店が一番です。他にもチョコレートとかのおみやげを買うなら地元のスーパーやコンビニの方が半額以下で購入できるのでお勧めです。観光客相手のお店はどこも割高なのだ。

お店で一休みした後は、「カラベラケーブ」と呼ばれる洞窟へ。この洞窟も太平洋戦争時代に日本軍の野戦病院として使われていた歴史があります。防空壕兼野戦病院として使われていたとか。ここだけは太平洋戦争時もアメリカ軍に見つかることなく逃れられた場所らしいです。また、スペイン統治時代は刑務所として使われていた歴史もあります。こんなところに閉じこめられたらまず逃げられないでしょうね(^^;ちなみに今でも洞窟の奥には人骨が無数に眠っているそうです。これは日本人のものか、スペイン人のものか、はたまた現地のチャモロ人のものなのかはっきりしないそうです。

ジャングルツアー最後の目的地は「グロット」と呼ばれる天然のプール。入り江がちょうど天然のプールのようになっているのです。とても急で滑りやすい階段を5分くらい下りるとグロットに到着。海とプールとは3つの入り江でつながっていて、時間によっていろんな表情を見せてくれます。特に朝日の入ってくる時間は七色にプールが光るとか。ここはダイビングのメッカにもなっていて、僕たちが行った時も多くのダイバーが潜っていました。僕もいつかダイビングがしてみたいのだ。ちなみにここは行くときは下りなので簡単に行けるのですが、帰りは100段以上もある急な階段を上らないと行けません。母はすっかりバテてしまってました(^^;かくいう僕も結構バテバテでした。

帰りに「バナデロ」と呼ばれる場所を通っていきました。ここは「ラスト・コマンド・ポスト」とも呼ばれています。日本語で「最後の司令部」。その名の通り太平洋戦争時に最後に残った日本軍の司令部がここにありました。司令部の残骸には今でも大砲の弾が当たった後や、日本語のメッセージが壁に掘られていたりとこちらもまた考えさせられるものがあります。近くの岸壁には大砲が撃ち込まれた後が生々しく残っています。バカでかい大砲のあとがとても痛々しいのだ。なんだかサイパンには日本の悲しい歴史がいっぱいでした。

ツアーが終わって午後はホテルで休憩した後スーパーに買い物に。サイパンで一番大きいという「COSTCO(コスコ)」というスーパーに行きました。このお店は全米チェーンの有名なスーパーで、いわゆるガレージ形式と呼ばれるお店です。大きな倉庫全体がお店になっているようなところで、基本は段ボール1箱単位での販売になります。といっても普通の量のものも置いてあるのでご安心を。僕たちはここでおみやげのチョコレートやお菓子、そしてホテルで飲むミネラルウォーターなどを購入。ミネラルウォーターなんかはエビアン1リットルが6本パックでなんと8ドル。ホテルで買うと300ミリリットルが2ドル近くすることを考えれば破格の安さです。他にクリスマス用品なんかもすごく安い値段で売っていたりしました。僕たちもクリスマスツリーのオーナメント10セットを13ドルで購入。日本ならオーナメント1つで1000円くらいしそうなものが10個で13ドルですからやはり安いですよね。ついでに野外用の電飾セットなんかも1000円くらいで売ってました。さすがに買ってきませんでしたが、日本で買えば1万円以上します。買ってくればよかったかな。

買い物も終わってこの日の夕食は第一ホテルのディナーショーを見に行きました。このショーは毎日18時半から開催されています。まずはビュッフェ形式のバーベキューを堪能。日本人シェフが作っているだけ合ってとっても日本人の口に合う味です。肉も他のメニューもとってもおいしかったのだ。僕のお気に入りは牛肉のバーベキュー。タレがよく染みていておいしかった(^^)みぃはなんだかすごくおなかが空いていたらしく、何度かおかわりしていました。僕はちょっと疲れていたのか食欲がイマイチ。今思うともっと食べておけばよかったとちょっと後悔(笑)

食事が終わってしばらくするとショーが始まります。ショー自体は1時間ほど。なかなか見応えのあるショーです。両親は初めての本場のディナーショーなので、かなり楽しんでいるようでした。

ショーのダンサーはサイパンの人だけじゃなくて太平洋の島々から集まった方々で構成されています。トンガやペナン、ハワイなど、あちこちの踊りを見ることができてとっても満足。さすが本番のダンサーの踊りはすごいですね。リズム感などは日本人には逆立ちしてもかなわないものがあります。ファイヤーダンスなどもさすがプロ。すごい迫力でした。

このショーも終わって元気なみぃと母親はまたしても買い物に。ショーの開催されていた第一ホテルは繁華街のど真ん中にあるので、そのまま歩いて地元のメインストリートやDFSに行ったのでした。ちなみにいつもはホテルからレンタカーで繁華街まで行っています。その間のドライブも僕は結構楽しんでいたのでした。