3点式シートベルト - 02/07/18

日本車と比べると予想以上に細かい部分で違いの見える 206 。もちろん世界で最も評価の高い部類に入る日本車に比べればフランス車である 206 はかなりの部分で負けているところが多いのですが(笑)、でも安全面や細かい部分での搭乗者に対する気配り、そして表面だけでなく内部にまで気を使う職人気質な部分はどの日本車にも引けを取らないのではないかとおもいます。装備は貧相でも細かい部分でのユーザビリティは日本車に負けていません。

例えばシート。日本車はオーディオや細かいアメニティー装備、内装の処理にお金をかける代わりにシートはそれなりの高級車やスポーツ車じゃないかぎりあまりよくないものが多い。長時間ドライブしようものなら肩はガチガチ腰はガクガクになることも・・・。が、206 の場合アメニティー関係の装備はハッキリいって貧相。内装の処理も日本車に比べればかなり低いのですが、搭乗者が最も触れあう部分、つまりシートに関しては妥協をすることがありません。一度 206 に乗って長距離ドライブに出かけるとよくわかるのですが、長時間同じ姿勢をとっていたにも関わらず腰や肩がまったく痛くならない。ヘルニア持ちの妻でさえ腰にまったく違和感を感じないんです。そういう本当にお金をかけるべき部分を心得ている 206 はやっぱりおもしろい。(どこに価値観を感じるかは人それぞれ。 日本車がダメだと言っているわけではありません。あしからず。)

そして最近子供が産まれて気がついた 206 の細かい気配りの一つが『リアシートのまん中の席のシートベルトも3点式』だとうこと。普通のコンパクトカーであればリアシートのまん中の席はあくまでもオマケ。シートベルトも腰だけを固定する2点式が当たり前です。が、206 の場合まん中の座席にも3点式のりっぱなシートベルトが装着されているんです。ハッキリいってリアシートのまん中に3点式シートベルトが必要なくらいの大人が座ることはほとんどないと言っていいでしょう。じゃぁなんてわざわざまん中のシートまで3点式にしたのか。それは『チャイルドシートをしっかり固定するため』なのです。

チャイルドシートをしっかり固定する場合は3点式シートベルトは必須です。(3点式じゃないと固定できないものが多い。)某研究機関の調査結果によると、チャイルドシートの装着位置はリアのまん中が最も安全度が高いとのこと。前方、後方からの衝突はもちろんのこと左右からの衝撃からも最も安全な位置がリアのまん中のシートなのです。

それに別に最高に安全じゃないと言ってもリアの左右どちらかの席に固定すればいいじゃないかというのは赤ちゃんが1歳になるくらいまでの話。大きくなれば子供は前方視界を好むようになります。そうするとリアの左右のシートでは前がよく見えない。でもリアのまん中には3点式シートベルトがない。となるとチャイルドシートにとって最も危険である「助手席」にチャイルドシートを装着することになってしまうのです。その点 206 の場合はリアのまん中にもチャイルドシートをしっかり装着できるので敢えて助手席にチャイルドシートを装着する必要がないのです。チャイルドシートを2つ以上装着する必要が生じた場合はしょうがありませんが、1つで済む場合はできるだけリアのまん中の位置にチャイルドシートを固定しようと思っております。(どうしても助手席にチャイルドシートを装着する場合はせめて助手席エアバックを OFF にしましょう。)

あとリアまん中の場所は運転席、助手席のどちらからも見やすいという利点も忘れてはいけません。さらに 206 の場合はリアシートのまん中にもしっかりとしたヘッドレストがあります。これも大きめのチャイルドシートを装着する時にとても便利。さらにまん中のシート座面の形状は平たんに近く、チャイルドシートを装着しやすくなっています。

もちろんこれらの装備は大人が座る際にも有用なもの。子供がいないからといってまったく必要のない装備というわけではないとおもいます。1年以上乗っていても新たな細かい気配りに気がつくことがある 206 は本当に長く付き合える車なんだなぁと実感いたしました。