アメリカ自動車レポート - 02/05/26

ということで2週間半にわたるアメリカ出張も無事終わりました。車好きとしてはアメリカにいる間どんな車やメーカーの人気があるのかとか、どんな目的で自動車を利用しているのかとか、日本とアメリカの交通規則の違いとかそんなことが気になりつつ注意してみていたのでした。そんな僕が見たアメリカ自動車事情を独断と偏見をもとにレポートしたいと思います。あくまでも僕の主観なので間違いや勘違いなどがあるかもしれませんがご了承くださいませ。

僕が今回出張で行ったのはカリフォルニアはシリコンバレー。ここはアメリカでもかなり収入の高い人が集まっている街です。そんな街なので治安はいいし住宅もきれい、さらに走っている車も高級車が多い。高級車といっても中途半端な高級車じゃなくて『本物の』高級車が日常生活の足として走っているのです。

この写真にあるようなポルシェやフェラーリ、ランボルギーニ、ジャガー、マセラティ、はたまた見たことのないような高級車までが通勤や日常の足として使われています。ベンツや BMW などが霞んで見えるくらい。

ちなみにベンツや BMW 、トヨタのセルシオや新型セリカ(カブリオレのやつ)もよく見かけました。このくらいになると本当に『買い物専用車』として使用されている人が多かった。フェラーリのカブリオレが屋根を開けてレストランの前に路駐してあったりする景色は圧巻です。こちらのお金持ちは日本のお金持ち(小金持ち?)と違って豪快な方が多いようです (笑)。

そしてアメリカと言えばピックアップトラック。一体なんのためにこんなでかくて不便な車を街乗りに使っているのかわかりませんが 、こういうタイプのピックアップも本当によく走っています。タイヤがボディーからはみ出ていたり車高が異常に高かったり低かったりとカスタマイズしている車が多いのもこのタイプです。なんでもこちらの高校生にとって新車のピックアップを買って彼女とドライブに行くのがステータスなんだとかそんなことはないとかいろんな噂があります (笑)。

ちなみに日産(ダットサン)やトヨタもこのタイプのピックアップトラックをアメリカでは販売しているようです。でも日本ではめったに見かけませんよね。

そしてクラシックな高級車もよく見かけました。こちらは大分昔のポルシェ(型番不明)なのですが、こういう車がコレクションとしてではなく通勤や買い物などに使われていることが僕にとってちょっとしたカルチャーショックでした。昔のポルシェやアルファロメオ、ベンツ、ジャガーなどをただきれいにして保存するだけじゃなくて使ってこそ車としての価値があると考えるアメリカ人の価値観にはちょっとビックリしたと同時に目の覚める思いをしたのでした。
もちろん古い高級車だけじゃなくて古い大衆車もたくさん見かけました。この写真のように旧フォルクスワーゲンビートルもやたら見かけました。他にも初代シビックやゴルフもよく見かけたなぁ。

日本だったらすでにコレクターズアイテムになっているような古い車があくまでも日常の足として当たり前に使われている姿はこれもまたカルチャーショック。今まで車をコロコロ買い替えていた僕が急に子供っぽい価値観に捕われていたことに気が付いたのでした。

こちらも知る人ぞ知るスバルのむかぁ〜しの車。ボディーはボコボコだけと機関系はしっかりしていたりするのがこういうタイプの車の特徴だったりします。こういう古いステーションワゴンで当たり前のようにアウトドアに行く姿はある意味すごく格好のいいものでした。
同じ日本車でも日本とアメリカでは名前の違う車種も結構あります。販売上の理由で車種名を変えているのだと思います(英語名のままだとヘンな意味だったりすることも多し)。

例えばこちらの「OutBack」。これは日本では「レガシー ランカスター」という車種名で販売されています。ランカスターもいいけど OutBack もいい名前ですよね。他にもトヨタの「ウィンダム」は「レクサス」、日産サニーやマツダファミリアも別の名前で販売されていました。そういえばホンダ車はアメリカも日本も同じ車種名のものがほとんどだったなぁ。なんででしょう?

アメリカで見かけるホンダ車はシビックやインテグラ、アコードV6などの乗用車系ばかりでミニバン系はオデッセイくらいしか見かけませんでした。他のメーカーでもミニバン系はあまり見かけなかったなぁ。4ドア、3ドア、2ドア、そしてステーションワゴンとピックアップトラックはよく見かけましたが。日本とアメリカとでは売れ筋車種もずいぶん違うようです。車種を流行で選ぶ日本人と使用目的で選ぶアメリカ人の違いと言ってもいいかも。そういう意味でもコンセプトのしっかりとしたスバルやマツダは日本以上にその価値観を認められていたような気がします。

日本とアメリカの交通規則の違いも最初は戸惑うことの一つ。左側通行と右側通行の違いはもちろんのこと、4 Way Stop (4方向一時停止)やCar Pool(乗員2名以上専用車線)などなど。右側通行左ハンドルに慣れること以上にこちら独自の交通規則を知ることが最初は大変だったりします。

こちらの写真にあるのは Freeway のインターチェンジにある信号。こちらの高速道路はほとんどが無料なので当然のことながらインターチェンジから本線に入るところに障害物がありません。つまり混んでいる時間帯はドンドン車が入ってきて危ないんです。なので信号で1台づつ本線に入るよう誘導するための信号だったりします。賢い方法だなと思う一方日本の場合料金所があるから必要ないんだと思い当たった次第です (笑)。

そしてスクールバスが停止している場合、バスの後ろにいる車はもちろんのこと対向車線にいる車も停止しないといけないというのも面白いルールの一つ。かりにスクールバスが止まっている横をすり抜けようものなら周囲の車のクラクションの荒らしとバスの運転手の罵声を浴びることになります (笑)。

他にも横断歩道に人が立っていたら絶対停止しないといけないとかこちらの交通ルール(というかマナー)は歩行者優先が徹底されているようです。日本の場合どちらかというと車の方が偉そうですからね (笑)

とまぁいろいろ思ったことを書いてみました。どちらかというと上のレポートはアメリカ側に立った意見です。アメリカに比べて日本の交通マナーや車とのつきあい方はとても子供っぽいなと思ったことも多かったのでした。上に書いたことの他に夕方になると暗くなる前に必ずライトオン(スモールライトじゃなくてヘッドライトをオン)することとか、狭い道では絶対スピードを出さないとか、そういう当たり前のマナーがよく守られていたような気がします。

が、こんなアメリカにも問題がなかったかというとそういう訳でもなく、『車 vs. 車』の時のマナーが日本に比べてすこぶる悪い (笑)。高速道路の車線変更は後ろの車を見ずに無理矢理入ってきたり、高速道路ですら車間距離をほとんど開けなかったり、路駐するときにバンパーにぶつける位当たり前だと思っていたり、ウィンカーをつけずにいきなり曲がってみたり、むちゃくちゃなところに路駐したりとハラの立つことも多かったのでした。だからどちらがよくてどちらが悪いとは一概に言い切れないのですが、でも「歩行者優先の徹底」とか「安全管理の徹底」、そして流行に捕われない車とのつきあい方など見習うことも多いなと思った次第です。